【0095】国税不服審判所にも従業員互助会組織がある

1.大阪国税不服審判所の互助会

民間企業であっても、ある程度の規模になれば互助会組織のあるところが多いと思いますが、国税組織にも存在しました。

私の最初の任地であった大阪国税不服審判所神戸支所の平成26事務年度については、毎月の給料支給日に以下の名目の「部門費」を庶務担当の国税審査官に渡していました。

❶大阪国税不服審判所全体の幹部会費1,000円
❷大阪国税不服審判所全体の互助会(審友会)費1,700円
❸大阪国税不服審判所神戸支所の幹部会費2,000円
❹大阪国税不服審判所神戸支所の互助会(みなと会)費4,000円
❺大阪国税不服審判所神戸支所の旅行積立5,000円

部長審判官(京都支所・神戸支所の支所長を含む)以上であれば、更に「❻部長会費(金額不明)」が上乗せされていたそうです。

給料は振り込みであるにもかかわらず、部門費は現金手渡しであり、給料日であるのに一時的にキャッシュフローが悪化するという訳の分からない状態でして、周りの国税職員から「奥さんには『国税っていう組織は付き合いにお金がかかるもんだ』と言っておいた方が良いんじゃないか」と言われていたものです。

なお、ここでいう「幹部」とは、いわゆる「(国税庁長官)指定官職」を指し、国税不服審判所においては、国税副審判官以上が該当します・・・といっても、当時の神戸支所の総員10名のうち、7名が指定官職であり、私も「幹部」という自覚はありませんでした。

2.懇親会

国税局(税務署)から赴任してきた国税職員に聞くと、実はこれでも少ない方であり、国税不服審判所は労働組合がありませんが、組合に加入していれば更に組合費が控除されることになり、手取額の少ない若手であるほど厳しい懐事情であるようです。

これらの部門費は、それぞれの幹事が管理して、事務年度末に残金があれば返還されますが、例えば❺については不参加であればそのまま返金されるもので、それを「へそくり」にしている職員もいたようです。

例えば、いわゆる「公式」と呼ばれる懇親会である「顔合わせ会」「忘年会」「お別れ会」の会費は、上記の互助会(❷❹)から支出されますし、執務室に常備している自分たちで喫するコーヒーやお茶の代金も互助会費で賄われています(官費負担は水道光熱費のみです)。

3.弔慰関係

慶弔関係や退職者の餞別については、互助会からお祝い金(お見舞金)が支給される他に、その者が指定官職であれば❶❸から弔電・供花等の支出がなされます。

私の後輩の税理士出身の国税審判官は、その任期中に父親を亡くしたのですが、その告別式の会場に以下の差出人からそれぞれ弔電が届いていました。

・大阪国税不服審判所長
・大阪国税不服審判所次席審判官
・大阪国税不服審判所審理部部長審判官
・大阪国税不服審判所第一部部長審判官
・大阪国税不服審判所第二部部長審判官
・大阪国税不服審判所京都支所長
・大阪国税不服審判所神戸支所長
・大阪国税不服審判所管理課長

この理由は、「審友会弔慰基準」の「現在の大阪支部在職者」の「父母・子」が死去した場合は「部課長以上による弔電」(+「大阪国税不服審判所長」名の樒)を捧げることになっていたものであり、この規程のとおりの取扱いなのですが、この手厚さに彼も民間との違いを感じていたようです。

ちなみに、大阪国税不服審判所の指定官職が在職中に死去した場合には、大阪国税不服審判所長による「弔辞」が捧げられる取扱いでした。

4.部門旅行

最近は、社員旅行を企画する民間企業が減少していると聞きますが、特に若手社員による嫌悪感が強いものと思われます。

これは、国税組織においても同様の傾向であり、最近は部門旅行を行っている部署はむしろ少数派なのかもしれません(「豪華お食事会」等で代えることもあります)が、現在の幹部世代はまだまだ「部門旅行は全員参加!若手は幹事必須!」という思想で育っているようで、その部門のトップがこのような思想であると、部下の本音を余所に部門旅行が企画されることがあります。

私は「1年目は何でも経験だ」ということで、「高野山開創1200年の年」と「支所長が他局出向者」であったこともあり、1泊2日でマイクロバスを借り切って和歌山の温泉と筏下りの旅行に参加しました。

平均年齢50歳台のおじさんばかりの旅行でしたが、なぜかバスの座席も建制順に指定されており、(指定官職ではない)国税審査官2名がいそいそと指定官職のお世話をされていて申し訳なく思っていたものです。

こういった互助会関係は、民間企業では廃止の動きがあるようですが、縦社会の公務員組織においては、構成員の本音とは裏腹にまだまだ生きています。

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