【0214】国家公務員倫理法理解度確認〇✕クイズ(その4)

15.上司が多めに負担した場合

≪問題≫
上司から誘われ、かつての同僚であり現在利害関係者となっているOB2名と酒食を共にした。
会計の総額は1万6千円であったが、上司が利害関係者の分もとりまとめて支払った。
利害関係者は各々4千円を上司に支払った。
自分は上司から2千円でよいと言われたが、この場合、「割り勘」になっていないため、上司に2千円のみ支払うことは倫理規程に抵触する。

≪答:×≫
自己の費用を負担して利害関係者と共に飲食することはできますが、きちんと割り勘になっていなかった場合など、自己費用負担額が不十分だった場合には、実際の金額との差額分の供応接待を受けたこととなり、倫理規程の禁止行為に該当します。
本件で、上司と自己の負担額を合計した額(6千円+2千円)を頭数の2で割った額(4千円)が利害関係者の負担分(4千円)と同額であり、きちんと割り勘になっているといえます。
本件については、利害関係者と共に飲食をした場合であっても、利害関係者との間での費用負担が適切であることから、職員同士で費用を傾斜配分することには問題ありません。

16.友人の事業者からの差し入れ

≪問題≫
職場の忘年会を、自分の高校時代の友人が経営するお店で開催した。
店の経営者である友人が「差し入れ」として、世間には余り流通していない珍しいお酒を数種類、計5本、無料で振る舞ってくれた。
この場合、友人は利害関係者ではないため、この差し入れを無償で受けたとしても倫理規程上何ら問題となることはない。

≪答:×≫
利害関係者に該当しない事業者等であっても、社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けることはできません。
本件の場合、高校時代の付き合いがある友人であっても、その友人が事業を行う「事業者」に当たることから、その友人から無償で提供された酒類の金額、提供頻度等によっては、社会通念上相当と認められる程度を超えた供応接待又は財産上の利益に当たる場合はあります。

17.利害関係者となった親戚の家への出入り

≪問題≫
毎年、伯父の家に親戚一同が勢揃いして正月を祝っていたが、公務員に採用された結果、伯父が利害関係者に該当することになってしまったので、今後は伯父の家に宿泊することもおせち料理を振る舞ってもらうこともできない。

≪答:×≫
利害関係者から供応接待を受けることは禁止されていますが、伯父とは親族関係という私的な関係(職員の身分にかかわらない関係)があり、これまでどおり正月に伯父の家に宿泊し、おせち料理の振る舞いを受けたとしても、国民の疑惑や不信を招くおそれはないと考えられることから、認められます。

18.倫理法の目的

≪問題≫
倫理法は、度重なる国家公務員の不祥事がきっかけとなって制定されたもので、職員が職務の執行の公正さを確保することは当然のこととして、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図ること等を目的としている。

≪答:〇≫
倫理法は、1990年代半ばに公務員の不祥事が続発し、事務次官等申合せに基づき、訓令レベルで公務員倫理規程が作られたにもかかわらず、さらに不祥事が発生したたため、行政内部の自浄作用には任せておけないということになり、議員立法で制定されました。
その目的は、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為を防止し、もって公務員に対する国民の信頼を確保することであり、すなわち、「公正さ」は当然のこととして、「公正らしさ」を求めています。

19.未公開株の譲り受け

≪問題≫
利害関係者から未公開株式を譲り受けることは禁止されているが、これは無償の場合だけではなく、適当な金額を支払った場合も含まれる。

≪答:〇≫
利害関係者からの未公開株の譲り受けは、無償の場合に限らず、有償の場合であっても禁止されています。
未公開株は、一般の者には入手困難であり、通常値上がりが期待されるものであるため、たとえ適当な金額を支払っていたとしても、職務の執行の公正さに対する疑惑や不信を招くおそれがあることから、禁止されています。

20.麻雀仲間が利害関係者に該当することになった場合

≪問題≫
在職中から年に数回の割合で麻雀をしていた職場の先輩であっても、退職後に利害関係者に該当する場合には、それまでと同様に麻雀をすることは倫理規程上認められない。

≪答:〇≫
利害関係者と共に遊技(麻雀、ポーカー)をすることは禁止されています。
また、職場の先輩は「私的な関係」には該当しませんので、職場の先輩が再就職によって利害関係者に該当するようになった場合には、一緒に麻雀をすることはできません。

21.振り返って

このようにして見ると、
民間の視点から見ても当たり前だと思うもの
・民間であればあまり意識しなくても公務員としては当然にわきまえなければならないもの
・杓子定規で実際にそんな詳細な運用までしているのかどうか疑問なもの
・過去の贈収賄(疑獄)事件の名残と思われるもの
・イメージとしてゴルフやマージャンが殊更に悪い印象のように見受けられるもの
など、様々な感想を抱かれるかもしれません。
いずれにせよ、公務員は、現在及び将来の潜在的な利害関係者が注目する存在、利用したいと思う存在であり、公務員としては利害関係者に巻き込まれるおそれのある立場にあります。
また、公務員自身が利害関係者を積極的に巻き込んで便宜を得たいと思うこともあるかもしれません。
現在の倫理法、倫理規程がどの程度実効性のあるものかについては、将来発生するかも(しないかも)しれない不祥事の数や内容(悪質性)によって評価されるといえるでしょう。

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