【0210】国税不服審判所職員証票と身分証明書

1.職員証票等の様式

学校には学生証があり、民間企業にも(大規模企業であるほど)社員証があるでしょう。
また、社員証でなくても、社内に出入りする際には入館証を首から提げておられる方も多くおられます。
税務職員にも身分証明書があり、加えて、職権で検査する権限のある者について証票が交付されていました。
国税不服審判所の国税審判官についても、国税公務員としての身分証明書及び入館証と、国税通則法上の検査権限があることの職員証票がありました。
もちろん、それが交付されるのは現職である期間に限られ、記憶の限りでしかありませんが、当時は概ね以下のような様式であったと思います。
当時から変更がなければ、職員証票及び身分証明書はラミネート加工によるものであり、税理士証票の税務職員バージョンのようなイメージでしょうか。

職員証票及び身分証明書

2.必要な場面のみ交付を受ける

実際には名刺交換で済ませる場面も多いでしょうが、税理士が税理士証票を携行して税務調査の立会の場面などで税務職員に提示する必要があるように、税務職員も自らに調査権限があることを示す職員証票を納税者や税理士に提示する必要があります。
国税局や税務署において賦課・徴収の調査を行う(通常の)税務職員ほどではないにせよ、職権主義によって証拠を収集する権限がある国税審判官についても以上のような職員証票がありました。
ただし、異動によって着任した後に作成されますし、事務年度末が近くなると回収されることになるため、異動時期前後は対外的な(相手を巻き込む)検査を行うことはできない状況でした。
平成26年7月10日に任官された私に交付された職員証票及び身分証明書も、同月29日付だった記憶があります。
「私に交付された」といっても、1年間ずっと(運転免許証のように)財布や定期入れに入れておくのは入館証のみであり、職員証票等が必要な場面の外出直前に管理者から交付を受け、帰社してすぐに管理者に返却するという運用でしたし、管理者が定期的に保管状況を確認していた記憶もあります。

3.必ずしも携行しないこともある

しかし、対外的な検査の場面で「必ず」職員証票等を携行していたかというと必ずしもそうではありませんでした。
国税局や税務署において賦課・徴収の調査を行う、すなわち、徴税権力を行使する場面にいる税務職員であれば携行するのでしょうが、不服申立てという納税者救済の場面にいる国税不服審判所の職員としては、職員証票等がないといきなり職務が滞るという場面がまず稀であり、自らの身分を明らかにする必要があるとしても、名刺の交付や入館証の提示で済むことが殆どでした。
かつて、異なる用務の出張が2日間連続し、1日目の夕方に審判所に帰社できず、2日目に直行することがありましたが、職員証票等を審判所に戻さずに自宅に置くことになる(1日目の持ち帰りの確認と2日目の持出の確認ができない)ことから、「出張の内容としては職員証票等ではなく入館証を提示すれば足りるだろう」ということで、そもそも職員証票等の持ち出しをしなかったこともありますが、そのくらい管理の不行き届き(紛失のリスク)がないように気を遣っていました。
私は、1年目は大阪国税不服審判所神戸支所、2年目及び3年目は大阪本所に勤務していましたが、前段落の出来事は1年目の支所勤務当時のことであり、2年目及び3年目の本所勤務当時は職員証票等の受け渡しの遣り取りをした記憶さえなく、おそらく管理者(管理課職員)が後生大事に収納していたのだろうと推察します。

4.職員証票を紛失するとどうなるか

職員証票は、本人が携行する際には、支給される証票ケースに収納し、携帯用の紐で確実に常時衣服等に結び付けることになっており、税務調査の場面において紐で括りつけられた職員証票の提示を受けたことのある税理士先生もおられることと思います。
また、管理者は、職員が携行する際には、結び付けの状況を目視で確認することになっています。
それでも、上記の運用の不徹底などによって職員証票が紛失するケースがあるようです。
その場合には、庁舎内、出張経路、自宅等の捜索を行うことはもちろん、それでも発見できなかった場合には、官報で「証票無効」の公告を行わなければなりません。
それだけではなく、紛失した職員については、懲戒処分や(業績連動型賞与である)勤勉手当に悪影響が出るなどの経済的な制裁を受けることになるようです。

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