【0211】国家公務員倫理法理解度確認〇✕クイズ(その1)

1.国家公務員倫理法の概要

国家公務員倫理法(倫理法)は、国家公務員が国民全体の奉仕者であって、その職務は国民から負託された公務であることに鑑み、国家公務員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する国民の信頼を確保することを目的として制定された法律です。
倫理法は、職員が遵守すべき職務に係る倫理原則として、主に以下のことを規定しています。
・国民全体の奉仕者であることを自覚し、公正な職務執行に当たらなければならない。
・職務や地位を私的利益のために用いてはならない。
国民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。
倫理法は、内閣は国家公務員倫理審査会(審査会)の意見に基づき、政令である国家公務員倫理規程(倫理規程)を制定しているところ、倫理規程には、職員の職務に利害関係を有する者からの贈与等の禁止及び制限等、職員の職務に利害関係を有する者との接触その他国民の疑惑や不信を招くような行為の防止に関し、職員の遵守すべき事項が含まれています。
贈与等の報告及び閲覧については、本省課長補佐級以上の職員は、事業者等から1件5千円を超える贈与等又は報酬の支払を受けたときは、贈与等報告書を各省各庁の長等に提出しなければならず、何人も、1件2万円を超える部分の閲覧を請求することが可能としています。
特に、本省審議官級以上の上級職員は、株取引等報告書及び所得等報告書を各省各庁の長等に提出することになっています。
モニタリング機関として、人事院に、会長及び委員4人で組織される審査会を設置し、以下の事項を所管しています。
・倫理規程の制定・改廃に関する意見の申出
・倫理法等違反の場合の懲戒処分の基準の作成・変更
・倫理保持に関する事項の調査研究・企画倫理保持のための研修の総合的企画・調整
・倫理規程遵守のための体制整備に関する各省各庁の長等への指導・助言
・各種報告書の審査
・倫理法等違反の疑いがある場合の調査・懲戒の手続の実施
・懲戒処分の承認
各行政機関等には、職員に対する倫理保持に関する指導・助言、倫理保持のための体制整備を行う倫理監督官を設置しています。
その他、特殊法人等については、国の施策に準じて、職員の倫理保持のために必要な施策を講ずるようにしなければならないことや、地方公共団体等は、国の施策に準じて、地方公務員の倫理保持のために必要な施策を講ずるよう努めなければならないとしています。

2.国家公務員倫理月間

国家公務員の倫理意識の効果的な浸透を図るため、毎年12月の1か月間を「国家公務員倫理月間」と位置付け、全職員を対象とした研修の実施など様々な啓発活動を行っています。
例えば、令和4年度は、事業者にも取組に理解・協力を得るため、新たに事業者向け標語・ポスターを作成するとともに、審査会会長及び委員が経済団体を訪問し、協力のお願いを行うなどの取組を行っています。
審査会は、毎年度に国家公務員倫理に関する標語(スローガン)を公募しており、職員向け8,125件、事業者向け1,517件の応募の中から以下の作品が選ばれました。
・職員向け
最優秀作品:「倫理観 高いあなたに 信頼感」
優秀作品:「あたりまえ 慣れた時こそ 再確認」「『ギリセーフ』 そんな気持ちが 『もうアウト』」
・事業者向け
最優秀作品:「ダメなんです。もらえないんです、その気持ち。」
優秀作品:「築きましょう 間違い正せる 良い関係」

3.監察官室等による啓蒙

国税組織においても12月の国家公務員倫理月間を職員に対して広報しており、国税庁監察官室や各国税局の人事課が倫理意識の啓蒙を行っていますが、そのリーフレットにおいて、倫理法・倫理規則の概要を〇×クイズ形式で出題して解説しているものがあります。
内容を見ると、「民間の意識からすればそんなにナーバスにならなくても」と思うものもあれば、「そこまでは許されているのか」といったもの、そして、「この規程は過去の贈収賄(疑獄)事件の名残だろうな」といったものもあります。
次回から3回に分けて、具体的なQ&Aをご紹介します。

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