【0175】歴代の大阪国税不服審判所長が選んだ在任当時の公表裁決事例(その5)


1.第22代 西田隆裕さんの経歴

2022.8.22 大津地家裁所長(現職)
2021.7. 9 松江地家裁所長・松江簡裁判事(現職)
2020.1.28 神戸地家裁尼崎支部長・尼崎簡裁判事
2019.4. 1 大阪高裁判事・大阪簡裁判事
2017.4. 1 検事【大阪国税不服審判所長】
2012.4. 1 大阪地裁部総括判事・大阪簡裁判事
2011.4. 1 大阪地裁判事・大阪簡裁判事
2010.4.10 大阪高裁判事・大阪簡裁判事
2010.4. 1 大阪高裁判事
2006.4. 1 最高裁裁判所調査官(東京高裁判事)
2004.4. 1 東京高裁判事
2003.4. 1 東京地裁判事・東京簡裁判事
2000.4.10 大阪地裁判事・大阪簡裁判事
2000.4. 1 大阪地裁判事補・大阪簡裁判事
1997.7. 1 長崎地家裁判事補・長崎簡裁判事
1995.6.15 検事【通産省通商政策局】
1993.7. 7 最高裁民事局付(東京地裁判事補)
1990.4.10 大阪地裁判事補
司法修習第42期

2.西田元所長との関わり

私は平成29(2017)年7月9日に任期満了退官しており、西田さんとの関わりは3か月に過ぎません。
しかし、所長室で退官辞令をいただき、他の民間出身の国税審判官とともに壮行会を開催していただき、直々に感謝の言葉をいただいたことは、私にとってありがたい思い出です。
関与は3か月でしたが、私には思い出深い出来事がありました。
私の国税審判官1年目に棄却(原処分維持)した事件があり、それを不服として訴訟が提起されましたが、その地裁の第1審の裁判長が審判所に来られる直前の西田さんであり、最終的に審判所の裁決にくみする判決を出していただきました。
その判決書の最後の「大阪地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官 西田隆裕」を見た時は不思議な縁を感じたものでした。

3.西田元所長が取り上げた裁決要旨

外国法人が株式会社である場合、外国子会社配当益金不算入制度の対象となる外国子会社に該当するかどうかは、「株式の数」により判断すべきとした事例(平30.12.14 大裁(法)平30-40・棄却)

本事例は、法人税法施行令第22条の4第1項第1号の「株式又は出資の数又は金額」の読み方は、「株式の数」、「出資の金額」、「株式の金額」及び「出資の数」の四通りの組合せがあるが、外国法人が株式会社である場合、外国法人の経営判断への内国法人の支配力(影響力)を示すのは「株式の数」であるとしたものである。

請求人は、請求人に剰余金の配当を行った海外法人(本件法人)が法人税法施行令第22条の4《外国子会社の要件等》第1項第2号に規定する要件を満たす外国子会社に該当するか否かは、「議決権のある株式の金額」等を判断基準とするものと解され、これによれば同号に規定する割合は100分の25以上となるから、当該配当を行った日において本件法人は外国子会社に該当する旨主張する。
しかしながら、外国法人が株式会社である場合、外国子会社の判断基準は「株式の数」であると解するのが相当であるところ、これによれば本件法人の同項各号に規定する割合は、当該配当を行った日においていずれも100分の25未満であると認められるのであるから、本件法人は外国子会社には該当しない。

4.西田元所長のコメント

審査請求事件の中には、事案の内容に応じ、事実認定が問題となるもの、法律解釈が問題となるもの等、様々なものがある。
在職中の2年間、裁決を行った事件数は、100件を優に超えていたものと記憶しているが、法律解釈そのものが中心争点となるものは、意外と少なく、専ら事実認定で結諭が決まることが多かった。
選定した裁決事例は、その中でも、当事者間で専ら法律文言の解釈が争われた事案であり、同種先例も見当たらず、担当審判官等の関係者と議論を重ね、種々の調査を実施してもらい、結論を導き出したものとして、思い出に残る1件である。

西田さんが就任されてから初めての合議体による議決未済事件の説明会は、現在進行中の事件について西田さんがどのような見立てをされるのか、私も他の審判部(審理部)の職員も緊張して臨みました。
西田さんは大阪地裁の租税行政事件の裁判長としても経験が豊富でいらっしゃいましたが、税務行政部内の判断機関としては初めての経験で、その仕組みや法令の規定、通達の取扱いについて詳細に質問されて、報告するこちらがタジタジになるほどでした。

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