【0155】民間出身国税審判官の或る日の日記(その37)


1.平成27年6月〇日

FAXのテスト送信をA審査官がB審査官立会の上でやっていたが、「FAXの送信をするってこれ(テスト送信)だけですね。FAXの意味あるんですかね。」と言っていた。
名古屋審判所が「専門領域別Q&A」というまとめを作って審判所ポータルサイトにアップされていて、「Q民法の勉強をするには?→Aまずは内田の民法を十分に読め」という実現可能性の乏しい内容も含まれていたが、国税局の組織の仕祖みなどは参考になった。
やはり民事訴訟法についてはいまだに腹に落ちた感覚ではない。
何気に大阪本所の今週の予定表を見ると、明日の部長会前の所長の予定で「官衛長連絡会(自衛隊)」とあったが、審判所長がなぜ自衛隊に行くのだろうか?
調べてみると官衛長会とは国の出先機関の長の会らしいが、何の目的の会なのか。
昨日は2部門の事件の原処分庁の元担当者、今日は現担当者が面談を受けに来ているが、審判所まで付き合わされるのは大変だろう。
一昨日審査請求書が提出された事件は、ある税制の広報不十分を理由に更正請求理由なし通知処分の取消しを求めている。
確かに所得税の改正のあらましを見ると、「23年改正」「23年12月改正」「24年改正」「25年改正」にまたがっているためややこしいといえばそうなのだが、では国の広報が不十分かというと、それはどうかという気もする。
「20年付き合っている税理士も言ってくれなかった」とも主張しているが、本来は税理士がアナウンスすべきであろうし、それだけの情報を請求人が税理士に言っていたかどうかも疑問である。

2.平成28年6月〇日

今日の審友会お別れ会は立食らしいが足腰がツライ人には大変かもしれない。
副審判官は、「本当に立食でやるんですかね?そうだったら帰るかも。幹部会も議題がないのだったら議題を作ったら良いのに。」と言っていた。
「お別れ会」といっても誰とお別れになるのか、自分もお別れになるのかはわからないまま開催するのが不思議なのだが。
今朝の新聞に26会計年度の審査請求の統計資料の記事が出ていて、審判所HPにも掲載されていたが、前年度よりも大幅減少なのは、東京の輸入消費税関連がごそっとなくなったかららしい。
「その他」は登録免許税や揮発油税のようだ。
1年以内処理割合が95%を割った言い訳を国税庁実績評価の中でどうするかだが、「大阪支部の実績が悪いからなんです」とは書けないだろう。
来週のC事件の代理人税理士面談の想定の釈明陳述録取書などを作成しはじめる。
D事件の原処分庁からの意見書が到着し、「意見なし」で帰ってきたので、争点の確認表の原案を作成することにする。
B審査官が、「D事件の請求人による反論書の期限は2週間で・・・。」と言ってきたが、今の時期に及んで、原処分庁から意見なしで帰ってきているのになぜ反論を求めようと思っているのか?
副審判官に、昨日出された審査請求事件に係る税制の創設から現在までの変遷について、改正のあらましのコピーを渡す。
副審判官が、「支所の所長決裁が全然下りませんね。今事務年度までに終わるんですかね。」と言っていたが、案の定、今朝大阪本所の徴収事件の決裁が下りていたが、それよりも前に議決している支所の事件は追い抜かされた。
この事案は平成3年相続開始の物納許可に絡む事案であり、本人が今年死亡していて妻が承継した事案であるが、バプル最高潮当時の相続税は大変だっただろう。
お昼に総括審判官が、「普通科〇期の〇〇さんという国税出身の税理士が『〇〇』という本を出して新聞で取り上げられた。」と言っていたが、併せて「ロクに調査経験もないのに説得力のあることが書けるんですかね?」とも言っていた。
副審判官には、副審判官の会(福神会)のお知らせが来ていたようである。
昼過ぎに、副審判官がB審査官に「クーラー入れる?まあ僕らは3時頃に出てしまうけど・・・。」とクーラーを入れる同意をそれとなく求めたが、B審査官は「じゃあ、入れる必要はないですか。」と返すと、副審判官が総括に「暑いですよね~。」と上司を巻き込むフリをして1部門が爆笑になった。

3.大阪審判所全体お別れ会

主任審判官・弁護士出身審判官と14:55に支所を出発。
京都・神戸のメンバーは本所における居場所がなく、幹部会が行われる会議室でつるむことになるが、京都の主任審判官が副審判官に「出る気満々やけど、世の中そんなに甘くないで。」と言ったら、副審判官は「もう出ちゃってますけど。」と答えていた。
幹部会は今回も目の前が所長だった。
議題は、所長訓示、処理状況の係数報告、制度改正スケジュール、贈与等報告、綱紀維持など前回とほぼ変わらない・・・確かに廃止が検討されるわけだ。
訓示では、適正迅速な事件処理、制度改正など5項目でみんな一応メモを取る。
結局30分強で終了し、即合同庁舎を後にして、天満橋のジュンク堂書店で暇をつぶしていると次席審判官を発見し退散。
18:15頃に懇親会場に到着すると、管理課主任が配席の抽選箱を持って待機。
最初の立ち位置は2部の部長審判官のテーブルになった。
開会後早速、卒業する梅本審判官と2名の弁護士出身審判官の挨拶と記念品の贈呈。
所長は普段は声が大きいとは言えないが、乾杯の発生だけはすごく、同じ裁判所出身の審判官がびっくりしていた。
自分は京都の総括審判官や裁判所書記官出身審査官などと喋る。
その後は同じ民間出身審判官同士で会話していたが、同じ会計士出身だからという安直な理由だけで国際事件担当の梅本さんの後任になったらどうしよう?と冗談交じりに話していた。
結局1時間半で終了し、みんな幹部の退席を待っていたが、自分は電話している振りをしてそそくさと会場を出る。

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