【0156】民間出身国税審判官の或る日の日記(その38)


1.平成27年7月2日(人事異動予告日前日)

総括審判官と副審判官が明日の異動予告の段取りについて話していたが、管理課に聞いても「協議中」ということで回答が帰ってこないようであり、「課長補佐は段取り悪いですわ。」「こちらから催促しないと言ってくれない。」とか話していた。
審査官は異動のある人は明日の11時に支所長室に呼び込まれるそうだが、A審査官が「ドアの前に並んで待ってましょうか?」と言っていて、そんなに「審判所(というか末席審査官)がイヤなのか?」と感じる。
A事件の決裁された裁決書について、内容としては調査官に対する誹膀中傷だが取り上げざるを得なかった主張について、主張欄で取り上げられていないことを総括が指摘したところ、所長・法規審査担当審判官としては、そういう主張は「主張」「認定事実」で取り上げるに足らないものであり、ばっさり省かれていたようである。
ただし、「請求人の主張について」の項で「~と主張する。しかしながら、」と書いてしまうと主張欄でない主張を主張していることになってしまうため、そのような場合は、「請求人のその他の主張」と表題を替えて、認定事実は「認定事実」欄ではなく「請求人のその他の主張」欄で書いて排斥してしまうというテクニックもあると総括から指導された。
支所長室のドアは、事件関係の話では開けっ放しだが、人事(評価・異動)関係の話になると閉められている気がする。
総括と副審判官が席を外している時間に、1部門の審査官2人が喋っていたが、「東日本大震災後の2年間の給与減額の時に労働組合の存在意義はないと感じた。」「明日の予告の結果次第では午後から休むかも。」「A審査官が異動になったら、あの納税者の対応は自分になるのか。」とかヒソヒソ話していたが、敢えて話には寄らなかった。
B審査官はリハビリのため午後から休暇であるが、夜の支所のお別れ会には出てくるようである。

2.口頭意見陳述

B事件の口頭意見陳述については、13時20分頃開始し15時10分くらいまでかかったが、いつもの前置きの長い当を得ない陳述で勝手解釈しているようだった。
総括は、今までと同じ主張の繰り返しであり、すでに争点の確認表に表現されていることから、口頭意見陳述録取書を作成しないという判断だったが、A審査官は「それで良かったのかな~。」という感じだった。
終了後、主任審判官が来て「元気な請求人でしたな~。1時間半ずっと喋っていたんちゃいます?」と言っていた。
16時過ぎに総括が支所長室呼び込まれて20分くらい話していたと思う。
副審判官の話によると、明日には本所から異動の新旧対照表が届くらしい。
審判所特留(国税不服審判所として来事務年度「特」に「留」意すべき事項のこと)が6月30日に出ていたが、内容は不服申立ての制度改正以外あまり変わっていないようであり、広報の充実や民間出身審判官の募集に力を入れるといったことが書いてあった。

3.支所お別れ会

17時過ぎにみんなで支所を出る。
みなと会(神戸支所互助会)解散会会場の焼肉屋までみんなで歩く。
始まるとやはり異動の話で持ちきりで、支所長が少しずつ開示し始めた。
審査官の人事については、A審査官が異動でにんまりで、B審査官と2部門のC審査官は複雑な感じだった。
自分は異動がないと思っていたが、弁護士出身審判官の後任が入られず、民間出身審判官が支所で1人となるとやはり弁護士ということになり、自分が異動になる可能性が高いと言われた。
転居を伴う人は既に言われているはずなので、京都支所か大阪本所かということになるが、京都は神戸と同じ立場(民間出身審判官が1人)なので本所ということになるだろう。
総括は支所長に、副審判官も異動ということになると、自分は異動がないだろうと思い込んでいたのでびっくりである。
大阪本所国際事件担当の梅本さんの後任になったらどうしようと思っていたが本当になるかもしれない。
月給は2.7万円ほど上がるが、事件は重くなること間違いなしである。
ただ、朝は今までよりも1時間ほど遅く出られることになるだろう。
「総括は支所長になってほしいと思っている。」と言っていたので総括は順当に支所長なのだろうが、2人が互いに褒め合いをしているのを「なんだかなあ。」と思いながら1部門の他の4人が聞いていて、2人に挟まれていた自分は両サイドで繰り広げられる持ち上げ合戦にどうしたらよいかと思っていた。
総括は、税務職員駆け出しの頃、フジテレビ系列の関西テレビの「パンチDEデート」という番組に出演していたそうで、みんなびっくり。
税務署の広報官のときは「バラエティ生活笑百科」にも出たことがあるそうで、副審判官が、「生三枝、生きよし、生仁鶴を見たんでっか!」と言っていた。
酔いが回ってくるとB審査官は支所長にやさしく説教されていた
副審判官はアルコールの濃いカクテルを飲みながらウトウトしていた。
最後は退官する弁護士出身審判官の中締め挨拶と1本締めで終了。
JR組は神戸まで一緒に帰り、最後は弁護士出身審判官と大阪まで帰りながら、公務員生活のことや今後のことなどを話す。

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