【0262】国税不服審判所の広報(その3)

1.説明会などを通じた広報

むしろ、現在の国税不服審判所の広報の主体は、この説明会の開催にあると思います。
弁護士、税理士及び公認会計士は、審査請求について代理人として関与する機会が多く、また、特定任期付職員の国税審判官の応募資格にも該当します。
このため、国税不服審判所では、弁護士、税理士及び公認会計士が所属している各団体(弁護士会、税理士会及び公認会計士協会)などに対する説明会を実施し、また、原処分庁(審査請求の目的となった処分に係る行政機関の長をいいます)となる国税局や税務署などの職員に対する研修などを積極的に行い、国税不服審判所の存在そのもののPR、特定任期付職員の業務内容や募集内容の周知、不服申立制度の周知などを行っています。
特に、平成26年6月に改正国税通則法が成立して以降、改正された不服申立制度の内容の周知のため、これまで以上に説明会の開催に注力しており(私も、近畿税理士会本会や自身の出身である下京支部などで講話を行ったことがあります)、上記の説明会の拡充のほか、士業団体幹部との対談、法科大学院での講演、税務大学校での特別セミナーなども実施しています。

2.閲覧窓口

昭和55年5月27日付閣議了解「情報提供に関する改善措置等について」を受けて、国税庁では、昭和55年10月1日から国税庁本庁における公文書等の閲覧サービスを行っています。
国税不服審判所においては、昭和56年10月1日、本部のほか各支部に閲覧窓口を設置して、閲覧サービスを行っており、閲覧窓口には、閲覧目録を備え付けて閲覧を希望する者の利用の便に供しています。

3.裁決事例の公表

国税不服審判所の裁決の公表については、国税通則法上に明文の規定はなく、 行政不服審査の性格上原則として公開すべきものではないとされているところ、国税不服審判所が行政部内における最終的な納税者の権利救済機関であることから、その裁決結果については、税務部内はもとより、一般納税者、関係行政機関、学界や税理士等の士業の業界で広く関心が持たれており、また、裁決を公表することは、信頼される税務行政を実現するための一助となるものです。
そこで、昭和46年5月には、発足以来の裁決のうち、重要なもの、先例となると認められるもの等を選定の上、固有名詞を匿名として編集した「裁決事例集」を刷成し公表しました。
この「裁決事例集」は、平成21年分(裁決事例集No.78)までの間、年2回刷成していましたが、平成22年分以降は刷成に代えて、四半期に一度、国税不服審判所ホームページへの公表を行っています。
その他、掲載した事例の要旨のみを整理した「裁決事例要旨集」については、裁決事例集第1号から第15号までに掲載したものを昭和54年3月に発行し、以後その改訂版を昭和59年11月、平成2年3月及び平成7年11月に発行して参考に供していましたが、現在は、平成8年7月1日以降に出された裁決に係る「裁決要旨」等を検索・閲覧することができる「裁決要旨検索システム」を国税不服審判所ホームページで提供しています。

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