【0048】指定官職

1.指定官職とは

国税庁のトップは国税庁長官ですので、税務職員の任命権者は全て国税庁長官であるかというと、そうではありません。

実際には、任命権者が国税庁長官である税務職員は全体の数パーセントしかおらず、その他の税務職員は、国税局長・審判所長・税務大学校長によって任命されます。

「国税局長等に任命権等の一部を委任する規程」は、その全体の数パーセントの税務職員を「指定官職」、その他の職員を「一般官職」と定義しています。

指定官職は、国税組織内部では「幹部」と総称され、いわゆる管理職といったところです。

2.指定官職の具体的な官職名

国税局は、該当する官職名が多いため、税務署と国税不服審判所支部(各地域審判所)を例として挙げると

・税務署:署長・副署長・特官の一部
・国税不服審判所支部:各地域審判所長・次席審判官・部長審判官・国税審判官(総括・主任を含む)・国税副審判官・管理課長

「特官の一部」という記載をしていますが、特官(特別国税徴収官・特別国税調査官)は、指定官職にも一般官職にもいて、職員録の総務課長よりも上に記載されている指定官職の特官を俗に「厚紙特官」、総務課長よりも下に記載されている一般官職の特官を「薄紙特官」というそうです。

この「厚紙」「薄紙」は、辞令(人事異動通知書)の紙質の違いであり、指定官職は賞状のような上質紙であるのに対し、一般官職は(コピー用紙よりは良い紙質ですが)相対的に廉価なものが用いられます。

3.指定官職と一般官職の違い

指定官職と一般官職の違いは、大まかにいうと管理職か否かですが、一般官職でも統括官のように管理職層の方もおられ、実質的な違いは「ステータス」の違いではないかと思います。

指定官職の直前の一般官職は、大規模税務署の総務課長や国税局の筆頭課長補佐などですが、そういった方が指定官職に昇任できるか否かは、人事異動予告でより注目されるところです。

私が1年目に大阪国税不服審判所神戸支所に配置されていた時のことですが、7月3日(定期人事異動1週間前)に、一般官職である国税審査官が指定官職の異動予告の呼び出し対象であると知らされたときの、その審査官の喜びの仕草を見たときに、「やはり、指定官職と一般官職では相当の重みの違いがあるのだな」と思ったものです。

指定官職に昇任してから定年までの年数にもよりますが、指定官職に昇任するということは将来の署長候補であるともいえ、組織を代表する立場になるということだと思います。

4.きれいに上がる

一般官職から指定官職に昇任するのも、「きれいに上がれるかそうでないか」という違いがあるそうです。

例えば、指定官職の最初の官職が、「税務署の副署長」である場合にはきれいに上がれた、「国税副審判官」「税務相談官」「税務大学校総合教育部教授」である場合にはそうでもないのだそうです。

なぜでしょうか?

それは、副署長は個室が用意されるのに対し、国税副審判官などは大部屋で仕事をするため一般官職と職務環境に大差がないからだそうです(椅子は良くなります)。

そういう意味で、副署長の方がより管理職らしい外観を備えることができることから「きれいに上がる」と言われ、国税副審判官などは、副署長に比べると格が少し落ちると考えられているのだそうです。

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