【0011】定期人事異動

1.任官辞令交付

本日は、令和元年7月10日付の定期人事異動の発令日です。

平成26年7月10日、「午前9時から辞令交付ですので午前8時45分までに出勤してください」と指示されていましたが、当日は台風が接近しており「初日に遅刻はまずい」と思った私は、1時間ほど前から大阪合同庁舎第3号館斜め向かいの近畿税理士会館1階の喫茶に待機していました。

そして、1階総合受付でまるで来客のような受付をさせられ、13階に上がると管理課職員が待ち受け合議室に通されましたが、その後2名の「いかにも国税職員っぽくない方」が相次いで入室してきました。

このお二人が、私の民間出身国税審判官の同期となる山田庸一弁護士と平松亜矢子弁護士です。

午前9時前に審判所長室のドア前に並び、1名ずつ呼び込まれ、大阪国税不服審判所長であった瀧華聡之さんから「人事異動通知書」を受け取りましたが、所長・次席審判官・管理課長の識別もできず、存在感のある方の前に面と向かったものの、その方は次席審判官だったという、いかにも新入社員のようなぎこちない動きをしてしまいました。

2.任官初日のアウェー感

その後、各部課に挨拶回りをして最初の部屋に戻り、民間出身国税審判官3人のコミュニケーションが始まりました。

私以外の2人は大阪本所の配属ですので、配付された書類にひととおり目を通した後、それぞれの執務室に入っていきましたが、私は、神戸市兵庫区の兵庫税務署庁舎内にある大阪国税不服審判所神戸支所に配属でしたので、天満橋の合同庁舎から移動しました。

そして、初めて神戸支所に入室したのですが、何ともいえない「アウェー感」を感じたことを思い出します。

私以外の2人も同様に感じたのかはわかりませんが、「民間=外様」であり、組織風土が大きく異なるなかで、「どんな人がやって来るのだろう?」という関心(≒警戒心)が迎える方にあったのかもしれません。

3.組織が稼働するまでに時間がかかる

私がこの任官当初に感じていたのは、「組織の立ち上がりの遅さ」です。

国税プロパー職員も大幅な異動があり、7月10日以後にバラバラと着任して来るのですが、前任の引継ぎ状況や他局からの転任・帰任によって着任が遅れることもあり、転居を伴わない職員の着任期限は7月12日頃、転居を伴う場合は同月17日頃に設定されることが多いです。

特に、国税不服審判所は合議によって裁決方針を議論する組織であり、構成メンバーが揃わなければ、意思決定をすることができません。

また、全員が着任してからも、引継ぎ事案の資料の読み込み、各種顔合わせ会、そして、新任者は7月下旬から8月上旬にかけて、埼玉県和光市の税務大学校において審判実務研修に参加することになるため、合議メンバーが落ち着いて議論する機会が延び延びになっていきます。

そうこうしているうちに夏季休暇の時期となりますが、官公署はお盆時期でも交替で出勤し、それは、休暇の取得時期が一斉ではない(合議メンバーが揃わない)ことを意味しますので、実際のところ、事案の調査審理が本格的に着手・再開される時期は、お盆明けということになってしまいます。

そうすると、人事異動時期の前後1か月半程度は、組織の都合によって実質的な調査審理が滞るということになります。

これは、税務調査(実地調査)が本格化するのが「お盆明け」であることと類似の事情に拠り、税務調査は「招かれざる客」であるため、そのような進行でも良いのかもしれませんが、権利救済を担う国税不服審判所においては、その救済までの期間が延びてしまうことになり、もう少し何とかならないものかと思ったものでした。

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