【0141】国税不服審判所の組織体系

1.機構の概要

国税通則法が昭和45年3月に改正され、同年4月に国税不服審判所組織令及び国税不服審判所組織規程(現組織規則)がそれぞれ公布され、これらの法令により国税庁の附属機関として国税不服審判所が設置されました。
国税不服審判所は国税庁のある東京に本部が置かれましたが、事務の一部を取り扱うために、全国に11の支部及び8の支所が当時設置されました。
その後、沖縄県の復帰により昭和47年5月に沖縄支部が設置され、昭和57年7月には仙台支部の青森支所が廃止され現在に至っています。
また、昭和59年7月施行の国家行政組織法及び大蔵省設置法の一部改正により、国税不服審判所は国税庁の附属機関から特別の機関に改められましたが、これは国税不服審判所の準司法機関としての特性を尊重したものとされています。

2.機構の変遷

国税不服審判所は、昭和45年5月1日、国税不服審判所長の下に、国税審判官105人、国税副審判官133人、国税審査官138人、管理課72人、合計449人で発足しました。
国税不服審判所は全国を管轄する一つの組織ですが、審査請求人の便宜及び審査請求事件の能率的な処理を行うために、その事務の一部を取り扱う支部が全国に12か所設置されています。
その支部に対応する中央の組織を本部と呼んでいます。
本部は東京の財務省本庁舎内に置かれ、支部は各国税局の所在地に置かれています。
支部の管轄区域は国税局と同一であり、その名称は、例えば東京支部ならば「東京国税不服審判所」と称されます。
また、沖縄支部の場合は沖縄国税事務所の所在地に置かれ、管轄区域は沖縄国税事務所と同一で、その名称は「国税不服審判所沖縄事務所」と称されます。

3.支部

国税不服審判所長が審査手続上有している権限のうち裁決権を除く権限は、原則として支部の首席国税審判官(支部所長)に委任されています。
したがって、審査請求に係る事件について、担当審判官等の指定に当たって、国税通則法第94条第2項の規定に該当すること等の理由により、支部において合議体を構成することができない場合など、本部の国税審判官をその担当審判官に指定した事件を除き、ほとんどの審査請求に係る事件については支部で調査、審理がされています。

4.支所

地方に在住する審査請求人の便宜に供する等のために、支所が置かれている支部もあります。
例えば、大阪国税不服審判所には京都支所と神戸支所があります。
支所には支部の事務の一部を取り扱わせるため、支部の国税審判官等が派遣されていますが、支所の事務を総括するために、派遣された国税審判官のうち1人が支所長とされています。
支所の事務は、その分掌区域内に納税地を有する者に係る審査請求事件の処理をすること(裁決事務を除きます。)ですが、これらの事件のうち、税務署長がした処分でその処分に係る事項に関する調査が国税局の当該職員によってされた旨の記載がある書面により通知されたもの、国税局長及び税関長がした処分に係るもの並びに支部の首席国税審判官(支部所長)が特に指定したものは除かれます。

5.官職

❶ 本部所長
国税に関する法律に基づく処分についての審査請求に対する裁決を行う機関である国税不服審判所の長であり、その任命は国税庁長官が行いますが、国税庁の施設等機関の長とは異なりその独立性を担保する趣旨から、特に財務大臣の承認が必要です。
本部所長は歴代裁判官の職にあった者が検事転官の上で在任します。

❷ 本部次長
本部所長を助け、本部、支部を通じた国税不服審判所全体の事務を整理するために1人置かれており、国税審判官をもって充てられています。
本部次長は国税庁キャリア採用者が在任するケースが多いです。

❸ 首席国税審判官(支部所長)
各支部の長として当該支部の事務を総括しており、国税審判官をもって充てられています。
また、本部所長が審査手続上有している権限のうち、裁決権を除く権限が原則として委任されており、その名称は、例えば東京国税不服審判所の首席国税審判官であれば東京国税不服審判所長と称されます。
支部所長のうち、大阪支部の所長は歴代裁判官の職にあった者が検事転官の上で在任し、大規模な支部所長は国税庁キャリア採用者が、小規模な支部所長は国税庁キャリア採用者又はノンキャリ採用者(国税専門官・税務職員)が在任するケースが多いです。

❹ 次席国税審判官
東京、大阪及び名古屋の各支部には、首席国税審判官を補佐し、支部の事務を整理するために、次席国税審判官がそれぞれ1人置かれており、国税審判官をもって充てられています。
次席国税審判官は国税庁キャリア採用者が在任するケースが多いです。

❺ 部長審判官
本部と沖縄支部を除く各支部には、国税審判官の行う事務を総括するために18名の部長審判官が置かれており、国税審判官をもって充てられています。
次席国税審判官の置かれていない支部の部長審判官は命を受け、支部の事務を整理します。
部長審判官は国税庁キャリア採用者又はノンキャリ採用者が在任するケースが多いですが、民間出身審判官が在任したケースはありません。

❻ 国税審判官
国税不服審判所長に対してされた審査請求に係る事件について、担当審判官又は参加審判官として調査及び審理を行います。
国税審判官の定員は令和2年4月1日現在で124人です。
国税審判官の任用資格は、その職務の重要性に鑑み、次のように規定されています。
弁護士、税理土、公認会計土、大学の教授若しくは准教授、裁判官スは検察官の職にあった経歴を有する者で、かつ、国税に関する学識経験を有するもの(民間出身審判官はこの枠で採用されています。)
行政職俸給表(一)による6級若しくは税務職俸給表による6級又はこれらに相当する級以上の国家公務員であって、国税に関する事務に従事した経歴を有する者
・その他国税庁長官が、国税に関し上記に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認める者

❼ 国税副審判官
審査請求に係る事件の調査及び審理を行う国税審判官の命を受けて、その事務を整理します。
国税副審判官の定員は令和2年4月1日現在で81人です。
なお、国税副審判官のうち国税不服審判所長の指名する者は、担当審判官としての職務以外の国税審判官の職務を行うことができるため、指名された国税副審判官は、参加審判官に指定され、国税審判官たる参加審判官と同等の権限で合議体の構成員となることができます。
なお、国税副審判官に民間出身者はいません。

❽ 国税審査官
国税副審判官と同様に、国税審判官の命を受けてその事務を整理し、審査請求事件の調査及び審理に携わりますが、国税副審判官と比較して判断よりも事務の要素が濃くなります。
国税審査官の定員は令和2年4月1日現在で165人です。

❾ 管理室(課)
本部に管理室、沖縄支部を除く各支部に管理課が置かれています。
本部の管理室には、管理室長及び室長補佐1人が置かれ、更に行政救済分析官1人並びに総務係、会計係、管理第一係及び管理第二係が置かれており、次の事務を行っています。
・国税不服審判所長の官印及び庁印を保管すること
人事及び機密に関すること
・公文書類の審査及び進達を行うこと
・文書の接受、発送、編集及び保存を行うこと
・経費、会計事務、物晶の管理及び庁内の取締りに関すること
・国税不服審判所の事務の運営に関し必要な事項の企画及び立案をし、並びにその実施に係る指導監督に関する事務を行うこと
・国税不服審判所の事務の処理に必要な一般資料の収集整理を行うこと
・上記に掲げるもののほか、国税不服審判所の事務で他の所掌に属しないものを行うこと
また、支部の管理課には、管理課長、課長補佐各1人(東京・名古屋・大阪)、総務係(東京・大阪にあっては総務第一係、総務第二係)、会計係(東京・大阪)及び管理係(関東信越・東京・名古屋・大阪)が置かれています。

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