【0152】民間出身国税審判官の或る日の日記(その35)

1.平成27年〇月〇日

兵庫署の会計係の主任の女性が来事務年度から税務大学校で本科に行くということで、本科の話を聞いていたが、本科は専門の演習やゼミなどを1年間するらしい。
ただ、アフター5が凄いらしく、「罰金300万円」というくらい飲み会などにお金を使うようで、給料も貯金も使い果たし、共済組合から借りている人もいたらしい。
成績優秀者は金時計を貰うらしい。

健康診断は体重・血圧・検尿・問診だけだった。
体重計は2つあったが、身につけているものの重さを考慮して少なめに表示しているものとそうでないものがあったらしいのと、昔ながらの針が左右にぶれるタイプのもの(デジタルではないもの)だった。
10月の人間ドックのときよりは3kgほど増えている原因について聞かれた。
審判所のみ検尿検査があったが、他の人の尿を見るのは良い気がしない。
血圧は通常通りだった。

(補足)
税務大学校の本科は手を挙げた者は誰でも進めるものではなさそうで内部選抜があるようでした。
本科の位置付けについては、聞くプロパー職員によって見解は異なり、「指定官職(副署長以上級)の登竜門(指定官職に上がりたいなら経由しておいた方が良い)」とも、「高卒相当の普通科生を国税キャリア上の大卒相当にする」とも聞きましたが、最後までよくわかりませんでした。
ただ、最近はわかりませんが、現在の40歳代・50歳代が本科に進んでいた時期においては、「昼間の授業も大事だが、むしろアフター5を頑張れ」といった雰囲気(税務大学校は現在は埼玉県和光市にあるところ、昔は新宿区若松町という飲み屋街にあったからかもしれません)があったようで、上記の伝説のようなことが言われていたようで、民間出身者として「国費で勉強させてもらっているのに平和ボケみたいだな」と冷めた目で見ている自分がいました。

2.定期人事異動を見据えて

総括審判官の目論見では、A事件については、異動前に争点の確認表を送るところまではしたいということであるが、事件主担者である自分としてはどこまでできるか気が重い。
B事件については、面談が1日で済むかどうかという問題もあるし、代理人税理士が来ても質問調書を取れないし、当日のこちらのバタバタ感を考えると書面の遣り取りで進行する方が良いのではないかと総括審判官が言っていた。

(補足)
「争点の確認表」とは、担当審判官が審査請求人と原処分庁の双方に対して、国税不服審判所が考えている争点と両者の主張のまとめを裁決前に送付して事前確認を求め、これが裁決書の前半(審判所による判断の前段階)に埋め込まれるといったイメージでした。
ただし、担当審判官は「争点の確認表」を交付してから真っ新の状態で判断しているわけではなく、この段階でいずれを勝たせるか(負けさせるか)の判断をしているケースが殆どだろうと思われます。

「代理人が来ても質問調書を取れない」について、主張であれば審査請求人でなくても代理人が陳述すれば良いですが、質問調書は質問対象者(例えば審査請求人)に直接聞かなければ意味がない(代理人に聞いても「伝聞」でしかない)という意味です。

3.原処分庁調査

B事件の原処分庁調査で同じ庁舎内の兵庫署に行くにあたり、疑問点を抽出した。
総括審判官は署長挨拶をもって中座されるようなので、総括を気にせずいろいろ口頭でも聞けるかも。
まずは2階の会議室でこれからすることの概要を1部門統括官に説明して、署長室に入り三浦署長に挨拶した。
確かに良く喋る人で話に時間がかかりそうだったが、総括審判官がうまく話を切り上げていた。
応接のところに「フランク三浦」という掲示と時計が置いてあり、「この人は変な人?」と思った。
統括官は審査請求対応が初めてという感じだった。
2階の会議室で調査官が作成していた書類を確認して、今日判明したことはいろいろあったが、その他に、「顧問税理士はOBだがちょっと変わった人なので注意」という記録が残っていた。
B事件とは関係ないが、評価通達に拠らずに土地評価している事案については、国税局長に対して「土地評価基準に基づかない申告等事案の報告について」という報告が上がる仕組みになっていることがわかった。

(補足)
後になって、「フランクミュラー」のパロディで「フランク三浦」という時計ブランドがあることを知りました。
大阪国税不服審判所神戸支所は兵庫税務署庁舎内にあることもあり、国税不服審判所幹部が支所を視察する際には、兵庫税務署長を表敬訪問する(といっても支所長室の真下なのですが)日程が組まれるのですが、兵庫税務署管内には(署の近くに)特殊浴場街があることもあり、そういった話題になることもありやなしや・・・私はその場に同席したことはないので「伝聞」の域でしかお話できません。

調査官としては顧問税理士の属性(OBなのか試験合格なのか・税理士会の偉いさんなのかどうか)といった情報を気にしているようであり、納税者(税理士)が今度調査に来る調査官の経歴を事前に調べるのと同じようなものかと思っていました。

土地の評価について評価通達を離脱して鑑定評価を採用して申告するケースがありますが、それなりに目立たせて検証するような仕組みがありそうなことを、上記の報告体制が物語っているようでした。

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