【0082】どのような処分が審査請求の対象になるのか

1.国税に関する法律に基づく処分とは

国税通則法第75条第1項の規定により、不服申立てをすることができる場合は、税務署長等が行った国税に関する法律に基づく処分に不服がある場合であり、それがない限り、不服申立てに及ぶことができません。

ここで問題になるのは、国税に関する法律の規定に基づいて税務署長等が行った行為が、いわゆる行政処分性を有するか否かであり、特に、徴収事件については行政処分性の有無が問われるケースが少なくありません。

また、事実行為について不服があっても、それについては不服申立てをすることができません。

更に、不作為は、国税に関する法律に基づく処分あったとはいえないため、少なくとも国税通則法上の不服申立ての道が開かれているものではなく、行政不服審査法における不服申立てを検討することになるでしょう。

なお、関税法、地方税法、税理士法、酒類の保全及び酒類業組合法等は、国税に関する法律に含まれませんが、国税である消費税や法人税に連動する地方消費税や地方法人税に関する処分は、国税に関する法律に基づく処分とみなされています。

ちなみに、国税通則法や行政不服審査法の規定に基づく不服申立てについてした処分(例えば、不服申立ての期限徒過による却下裁決)や国税犯則取締法等に基づいてした処分は、国税に関する法律に基づく処分には含まれません。

2.行政処分性

行政庁は行政目的を達成するために様々な行為を行いますが、取消訴訟が対象とする処分とは、判例上「公権力の主体たる国又は地方公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう」と解されており、不服申立ての対象となる処分も取消訴訟の対象となる行政処分と同義と考えられています。

国税に関する法律に基づく処分のうち、更正、決定、加算税の賦課決定、青色申告の承認取消し、更正すべき理由がない旨の通知、差押え、公売公告、売却決定及び配当等は行政処分性を有するものとされています。

一方、税務署長等の行う行為の中には行政処分性を有するか否かの判断が困難であるものも少なくありません。

このように、行政処分性を有する行為とは、その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するものであり、それによって、国民の法律上の地位に変動を与えるものですから、その行為によって国民の法律上の地位が変動するか否かの観点から、行政処分性の有無が判断されることもあります。

なお、不服申立ての対象となる処分は、不利益処分に限られ、利益処分については、その処分の取消しを求める利益(請求の利益)はないとされています。

3.行政処分性が認められないもの

代表的なものに「延滞税のお知らせ」があり、これの取消しを求める不服申立てが行われることがありますが、延滞税を通知する行為は延滞税の賦課決定でもなければ納税の請求手続でもなく、延滞税が「法定納期限までに納付がない」事実と「時の経過」によって自動的に計算される性質のものであることからすると、「延滞税のお知らせ」は、単に延滞税の納付義務が存在する旨の観念の通知にすぎず、行政処分に当たるとは解されていません。

その他、「物納された財産の売払い」「申告・納付の慫慂」「納税申告書の受理」「還付金等の還付」「予定納税額の通知」「源泉徴収義務者による源泉徴収手続と納付行為」「納税義務の承継通知」「農地等の納税猶予期限が確定した旨の贈与税額又は相続税額の確定通知」等についても、行政処分性が認められておらず、これらの取消しを求めて不服申立てに及んだとしても、審理庁から「却下処分」を受けることになります。

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