【0272】法規・審査担当の役割(その1)

1.法規・審査担当の設置及び法規・審査担当者の指名

支部所長(各地域国税不服審判所長)は、判断の統一性を確保し適正な裁決をするなどのために、法規・審査担当を設け、部長審判官、審判官、副審判官又は審査官の中から1名又は2名以上の法規・審査担当者をあらかじめ指名して、後述する役割を担わせています。
ただし、支部の実情(規模の大小など)により、法規・審査担当者をあらかじめ指名せずに事件ごとに指名することもあるようです。
なお、支部所長は、法規・審査担当者の利害関係等事件への関与が見込まれる場合には、法規・審査担当者が複数指名されている支部にあっては別の法規・審査担当者に当該事件を担当させ、又は法規・審査担当者が1名のみ指名されている支部にあっては新たに法規・審査担当者を指名することもあります。

2.法規・審査担当の役割

法規・審査担当は、適正かつ公正な裁決を実現するために、例えば、次に掲げる各役割を担います。
形式審査担当者又は合議体の補助機関としての役割
審査請求について審理手続を経ないでする却下裁決の決議前又は合議体による議決前において、形式審査担当者又は合議体の補助機関として事件に関与し、事件の適正かつ迅速な処理を支援するところ、具体的な事務は次に掲げるとおりです。
・形式審査担当者若しくは合議体から調査及び審理の過程において生ずる法令の解釈又は法令若しくは通達の適用について意見を求められた場合には、遅滞なく意見を述べる。
・調査及び審理の迅速かつ公正な実現を図るために合議にオブザーバーとして積極的に参加し、必要に応じて適切な助言をします。この場合において、議決に審理の不尽、法令の解釈又は法令若しくは通達の適用の誤り等が生じないように、合議体に多角的な検討を促すような助言に努めます。特に、審理手続の終結に関する確認に当たっては、審理関係人の主張漏れ、不十分な主張整理、課税等要件と全く関係がない誤った争点立て等による審理手続の再開を避けるべく合議体に適切な助言をします。
なお、助言に当たっては、結論を押し付けることにならないように配意しなければなりません。
形式審査担当者による却下決議後又は合議体による議決後における役割
本部所長が裁決する場合を除き、本部所長から裁決の処理に関する権限を内部委任された支部所長(各地域国税不服審判所長)が形式審査担当者による却下決議後又は合議体による議決後に裁決をする場合において、支部所長を補佐するところ、具体的な事務は、次に掲げるとおりです。
・法規・審査担当に回付された事件について、法規・審査担当における処理の経緯を明らかにするために法規・審査担当における収受、決裁のための支部所長への回付及び合議体への事件の差戻しまでの各処理事績を「計画表」に記載します。
・「裁決書」案について法規・審査をするところ、担当審判官が作成する「裁決書」案の内容は「議決書」の内容と同一になりますので、法規・審査の対象は「裁決書」案となります。
・本部照会事件及び相互審査事件について、「裁決書」案の記載が適正、簡潔、明瞭といえるか否かを本部と相互に審査します。
合議体への差戻しにおける役割
特に、次に該当する場合には、事件を合議体に差し戻すことになるところ、この場合において、「議決報告書兼裁決決議書」に差戻し決議の表示をし、差戻しの理由及び再開の要否を「裁決決議書類審理指摘事項整理表」に記載して支部所長の決裁を仰いだ上で、管理課管理係を経由して事件を差し戻すことになります。
・「裁決書」案の内容について、法令の解釈、法令若しくは通達の適用又は事実認定の合理性に疑義があり、かつ、その帰すうが裁決の主文に影響を及ぼすと認められるときにおいて、所長に判断を仰ぎ、所長が事件を合議体に差し戻すことを相当と認めた場合
・裁決の主文に影響を及ぼすと認められない場合であっても、新たに主張、証拠等を補充する必要があると認められるときにおいて、支部所長に判断を仰ぎ、支部所長が事件を合議体に差し戻すことを相当と認めた場合
・審理手続の再開の定めにより、担当審判官から「審理手続の再開等理由書」の回付を受けた場合
担当審判官は、審理手統を終結した後であっても、裁決までの間に所定の事由が生じた場合等には、審理手続を再開することになるところ、たとえ事件の差戻しがあった場合においても、取消額の計算誤りといった、新たに主張、証拠等の提出を求める必要がないときは、審理手続を再開する必要はありません。

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