【0348】民間出身国税審判官の或る日の日記(その105)

1.平成27年〇月〇日

A事件の次席審判官説明は10時からとなった。
次席審判官は、「議決説明会をしないからかなあ。」と言っていたそうで、それがわかってくれていたら入る必要もないのだが。
C事件について、副審判官が、答弁書の関係先法人の財務内容について、1部門の庶務担当副審判官・1部門の副審判官に相談しているが、珍しい組み合わせだな。
と思ったら、自分にも、「・・・に該当するといえるかどうか。」と聞かれ、昨日作成した簡易CF計算書を示し、「目先の利益が出たからどうかではなく、CFの供給元があるかどうかが大事。会社は赤字だから倒産するのではなく、CFがひっ迫するから倒産するのだから。」という話をする。
10時前に管理課に行くが、「補佐が入っているから。」と言われ出なおす。
すぐ電話がかかってきて入るが、「わざわざ時間を作ってくれなくてもよかったのに。内容的には読みやすく分かりやすくなっているのでこれで良いのではないか。私のコメントも反映していただいて。」と言われ10分弱で終了した。
ただ、「ここだけ重複した表現になっているよ。」という細かい指摘が1箇所あった。
その足で部長審判官室に行ったら「もう終わったの?」とビックリされた。

2.事件審理を終えて

その後、雑談を交えて今回の事件についての感想を聞かれたが、「審判官の立場ではなく税理士の立場だったらどうか?」と聞かれて、「・・・」と率直に答える。
ただ、今回は、双方の主張もわかる(原処分庁の主張は迷走したが)が、行政庁としては・・・の判断を採らざるを得なかっただろうな、という話をする。
冗談で、「・・・と思った時もあったが。」と言うが、異動直後の7月くらいまでは実際にそんなことも思っていた。
自席に戻って、裁決後チェックのチェックシートの説明を受けるが、前事務年度は、東京支部管理課長だった〇部長審判官が。大阪支部の業務フローの特徴(所長が結構手直しする)を認識せず、いろいろ口を出して大変だったとA審査官から聞く。
今日から国家公務員倫理週間ということで、長官名のメッセージが国税庁人事課名で届く。
今年度の標語は、最優秀が「揺るがない倫理があなたの道しるべ」、優秀が「一人の信頼が組織の信頼」「忘れない自ら律するその心」らしい。
1部門の弁護士出身審判官が、どの件かわからないが総括審判官と議論していて、その最中に川崎さんがやってきて、「数字が違うんじゃない?」みたいなことを言われていた。
所長見え消し裁決書が1件更新されていたが、「・・・」という論点である。
・・・最高裁判決によって解釈が変更されたのではないので、最高裁判例のとおり読むべきだと判示している。
主任審判官が居ないので、弁護士出身審判官に明日のお昼に一緒に行ってもらうことをお願いする。

3.同席主張説明

同席主張説明をするH事件であるが、本部照会をするかどうかを決めないと質問事項も確定できないなと、弁護士出身審判官、A審査官が話している。
そうなると、弁護士出身審判官は、H事件もB事件も本部照会になるということ?
と思っていたら審理部の副審判官が税大研修で先週今週と居ないそうで協議できないそうだ。
でも、同席主張説明の案内は今週にはしないといけないし、A審査官が原案を作成して弁護士出身審判官が直して作成することになる。
C事件は念願の総代の選任届が来たようである。
1部門は相続のI事件の口頭意見陳述が始まったようだが、・・・に話を聞くしかないと昨日の月曜会で1部門の庶務担当副審判官が言っていた。
結局1時間程度で終了したが、「・・・」と総括審判官が開口一番言って、「(声の大きい)弁護士出身審判官に入ってもらったら良かった。2部門に回しておけばよかった。」とも言っていた。
結果的には、E事件で良かったかもしれない。

4.年末年始の休暇

年末年始の休暇計画表を見るが、みんな案外帰省しない、というか帰省先がないのかも。
部長審判官と1部門の弁護士出身審判官が1月4日も休暇を取るようだが、自分も取ろうかな?
監査法人当時のクライアントの役員に手紙を書き、・・・を同封して送ろうと思う。
任官終了後の展開もあるので関係はつないでおこうという下心もある。
H事件の同席主張説明について、過去の2部の実施状況を見ると、今回の原処分庁の異議担当上席は2年前の事件でも同席主張説明に出席しているようだ。
1部門の徴収事件のJ事件の答弁書が帰ってきたようだが、・・・をコピーして提出して「このとおり」と書いてきたようだ・・・そんな横着して良いの?
総括審判官が、「議決未済事件説明会は12月末基準で2月開催になりそうだが、C事件は予定通り12月中に当初合議を開催するのか?」と言いに来た。
12月中に開催すると未済事件説明会の対象になるけど、それで良いか?という意味である。
2月開催となると、それまでに議決している事件が出てくるかもしれない。
その後改めて総括審判官が来て、副審判官が、「答弁書提出も遅れましたし1月回しにしようと思います。」というと「それなら1月かな~。」と笑って言っていたが、未済事件説明会の対象事案外しのための色彩が濃い。
ただ、面談後に当初合議をしても実質審理の前倒しをしているので、全体スケジュールを遅延させているわけではないが。
D事件で審理部の徴収担当の副審判官が争点の確認表についての審理部修正案を持って来た。
長官指示で、年末年始の年次休暇の取得促進があった。
副審判官とB審査官が、「C事件で・・・に質問調査に行くかどうか。行っても・・・だしな~」と協議している。
定時直前に、E事件のサブ調査官面談の日程確定とA事件の次席審判官説明の終了をメールする。
ほぼ定時に執務室を出たら、12階でエレベータが止まったのでヤバイと思ったら、案の定国税局長が乗ってきたが、手ぶらだった・・・手ぶらで出勤しているの?

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