【0324】民間出身国税審判官の或る日の日記(その81)

1.平成27年〇月〇日

合同庁舎の掲示板に来年度の「国税審判官募集」ポスターを見つけて思わず写メを撮る。
出勤して言うと、A審査官が「前からありましたよ。」と返されたが、「国税専門官」だと勘違いしていたようで、審判官と聞いてびっくりしていた。
いくら広報を重視するといっても全国で100名応募するかどうかの募集にポスターの予算を計上するのかと思う。
主任審判官は人間ドックで昼過ぎから出勤であるが、A事件の事件検討会資料確認がなければお休みだっただろうと思うと申し訳なく思う。
総括審判官が、「〇日の当初合議2件の時間設定は大丈夫か?本部管理室長面談がぶれる可能性があり、その場合は面談日程優先になることに留意。」と2部門に触れまわってきた。
A審査官が「・・・の定義がない。」と言われて、B審査官と2人で「まだ事件検討会段階だから。」と言っていたが「いやいや。」と返していた。
なぜかA審査官の内線に「○○審判官(1部門の弁護士出身審判官)に・・・が来客です。」と1階受付から電話がかかってきたが、1部門B事件関係だろう。

2.事件検討会に当たっての部長の指示

総括審判官が、「A事件につき部長が報告を求めているので入ってください。」と言われるのでA審査官と入る。
主任審判官が人間ドックによる休暇なので総括審判官も入る。
部長からは、「2部としては、事件検討会は初めてであることもあり、所長・次席審判官が、合議体に対する信頼に疑念を持たれることはないようにしないといけない。また、併せて行われる1部門の事件検討会も2部の事件なので、最低限の様式整合も取らなければならない。証拠についても所長・次席審判官は見ると仰っているので、それに対応できるような資料にしてほしい。」と言われた。
こちらからは進捗と資料ラインナップについて説明した。
すると、「本日は議決書案などの資料の主要部分を提出して、後日補足資料として提出するということも不可能ではないし、まずは、本日どのような資料になるのか、午後一番で見せてほしい。」という指示を受けた。
自席に帰って、A審査官は、「『自分が恥をかかないようにちゃんとやれよ』と言っているだけじゃないか。」みたいな愚痴を言っていた。
弁護士出身審判官は「制度改正関係で部長が次席審判官に言われているみたいですね。」と言っていた。
ファイナルではないが議決書案について並行的にチェックし、おもに引用の誤りを指摘するが、内容そのものについてじっくり見る時間もなければ、・・・のが実態である。

3.検討会資料の納品

総括審判官が、「2部門の進行管理表を更新したか?」と言いにきたがしていないので慌ててする。
総括審判官が、A審査官に、「〇月に全館停電があるが、どこのコンセントを抜いておけばよいか。」と聞いている。
審理部のA事件担当審査官が、主張について1点A審査官に照会してきたが、「それは落としたはずじゃないかな?」と慌てて言いに行っていた。
A審査官の現時点の引っかかりとしては、「・・・」というところである。
昼休みにA審査官が壊れ始め、B審査官が、「もうすぐゴールですよ。」となだめている。
B審査官が幹事の裁判所出身者の会で、48人中7人の回答が来ないがどうフォローしましょうかというメールを前任の〇〇さんにメールしたところ、再度言ったところで来ない確率が高いので、そのエネルギーを来る人に振り向ける方が良いのでは?という回答が返ってきたようで、「なんだか怒られているみたい。」と言っていた。
事件検討会に添付する課税要件検討表の作成も何とか間に合う。
部長説明は午後1時15分くらいからとなり、それは特に恙無く終了する。
その直後に主任審判官が人間ドック明けで出勤した。
3時前に、司法修習生が見学で部屋を覗いていたが、いわゆる一般的な事務室でしかない。
3時の体操後に、部長に呼ばれたが、開催趣旨の記載にっいて、「『・・・』旨の記載はやめた方がよい」とのコメントがあった。
そこで、本件については、・・・に切り替えて了となった。
そして、資料の最終チェックをしていると、証拠の最後に課税要件検討表の校正中のものが入りこんでいたので慌てて差し替えてもらう。
16時半頃に管理課に納品してとりあえず一息というところで、A審査官は食べられなかった昼食を食べている。

4.反論書内容の確認

H事件の反論書が持参提出されたが、これを当初合議までに読まないといけない。
しかし、月曜日回しにするとパンクすると思い、読んでから帰ることにする。
「・・・」ほかの主張を展開しつつ、最後に・・・が主張に追加されていた。
総括審判官が、「来週の事件検討会につき、1部門事件の出席者が最高15人となり、審議室でも
手狭になるということで、第4合議になったらA事件も併せて変更になる。」と言いに来た。
B審査官が日曜日に大阪マラソンで、1部門の弁護士出身審判官に「がんばって」と言われていた。
1部門の弁護士出身審判官が帰った後、1部門の副審判官が、1部門の審査官に「1部門の弁護士出身審判官が余計なことを考えるから」と言っていて、自分とB審査官がウケていた。
A審査官は、・・・居住者を中心とした飲み会(・・・会)で6時前に退所するが、「本当は行きたくないんだけど。」と言っていた。
監察官室リーフレットがメールで届いたが、収賄横領についてだった。
自分が帰れないとB審査官が帰りづらいのかもしれないと思い、H事件の反論書の確認ができた時点で退所する。
セキュリティバッジでなかなかシャットダウンしないので、画面を閉じずに帰る。

税務判断なら当事務所へ
お気軽にお問い合わせください

2025年7月
« 6月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031