【0315】民間出身国税審判官の或る日の日記(その72)

1.平成27年〇月〇日

A審査官が休暇であるが、A事件を間に合わせてくれるだろうか。
でも、なぜかA審査官が休暇だと部門の雰囲気が和む。
出勤してすぐにB事件の事件検討表を修正し始めるが案外と時間がかかる。
C事件の答弁書の期限が今日だが、連休明けに持参してくるようである。
弁護士出身審判官が「答弁書記載事実の証拠は通則法96条としてつけてくれるんでしょうね。そうでないと閲覧対象にならないですから。」と言っていた。
主任審判官が、D事件について「重要先例事件の検討は?」と言ってきたが、今のところ「否」で、今後何かあったときに検討すればよいのではないか?ということになった。
A事件の代理人からA審査官あてにレターパックが届き、口頭意見陳述の内容の追加があった。
ただ、今までの主張の域から出ていない内容だ。
再度全体を読み直して自分が理解しているかを確かめる。

2.部長審判官会議の支部意見

部長が出勤しているが、今日は休暇ではなかったか?
部長・総括・主任の3役打ち合わせで、産経新聞が、「逓増定期保険+低解約返戻金保険を組み合わせた保険(日本では明治安田が今年発売)が租税回避の可能性」という記事が話題になったようであるが、解約返戻金が低い間に会社が役員に譲ってしまって差益を一時所得で圧縮するという商品のようだ。
総括審判官が主任審判官の席に座るから何かと思ったら、金曜日恒例の3役での昼ごはんで主任審判官が帰ってくるのを待っていただけのようだ。
副審判官が、副審判官の懇親会(福神会というらしい)の幹事をしているらしく、「こないだの民間出身国税審判官と審判所長との意見交換会後の懇親会の案内文が残っていたら転送して」と言われたので対応する。
金曜日恒例の事件別の進行管理表の更新をする。
B事件の当初合議の調整を27日のE事件の終了後にしてもらうことにしたが、部長が昼から休暇になったので、火曜日に調整してもらうことにする。
フリーデスクで、総括審判官が管理係長と議論しているが、本部部長審判官会議に付議する支部意見のことのようだ。
「・・・はそんな意向ではない。」とか「本部対応が・・・」と漏れ聞こえてくるが、組織防衛的な議論であることには変わりはないだろう。
ただし、管理係長も案外負けていなかった。

3.当初合議の準備

16時を過ぎて、やっとB事件の事件検討表の書き直しが終わり、事件概要に移るが、原処分庁は、・・・を認容しているのに、最終的にはなぜそれは認容しなかったのだろうという疑問が湧く。
B事件の大量の資料(証拠)をどこまで合議メンバーに配付するかをB審査官としゃべっていたが、部長にはあまりそこまで入れないようだ。
ただ、調査手続主張については、調査報告書が命のようなものなので、それを入れなければイメージも湧かないことになる。
結局は火曜日にA審査官の意見を聞いてみようということになった。
主任審判官が、異議申立てを経ることなく、直接審査請求となると、答弁書に4週間くらい時間を見る必要があって大変だという話をしていた。
結局今日は、B事件の資料の加工が中途半端になってしまったが、事件概要・課税要件チェックリスト、できれば求釈明質問案まで来週の月曜日・火曜日のうちにやってしまわないといけない・・・〇日当初合議はちょっとタイトだ。

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