【0157】民間出身国税審判官の或る日の日記(その39)


1.平成27年7月3日(異動予告日当日)午前のバタバタ

昨日のみなと会(神戸支所互助会)お別れ会で、高松国税局から出向してきている支所長は、「高松は全体でも1,700人で、各系統ごとに署の統括官くらいまでは人となりがわかっているので、そう変な人事はないが、大阪は人数も多く、本来は能力経験のある人が必ずしも引き上げられるとは限らない。人事が強すぎる。」と言っていた・・・某BBSでも人事のはけ口は良く見かけるが。
今日は同じ庁舎内の兵庫税務署も人口密度が高いだろう。
昔は、異動者は着任日が決まっていて、その日までは来ない(実質休暇)という慣行があったらしいが、今は辞令交付後すぐ着任するらしい・・・民間ならごく当然だが。
総括審判官から、「今日の異動予告は審査官は11時、指定官職(副審判官・審判官)は13時15分です。」と言われたが、「指定官職は13時15分です。」のときにチラッとこっちを見られた気がする。
副審判官が、「1年目からドキドキの経験ができましたね。ウチに居られる間にこういうウチ独特の経験もして貰わないと。」と言われた。
総括連絡会フォルダの事件引継書ファイルをアウトプットするが、自分は傍観者だと思っていただけにどのように書こうか考えておかないといけないと思い、自分の担当する事件につき記載を始める。
自分の担当した事件の裁決書発送が今日ということで、B審査官に一件書類の回収をしてもらい、自分の手持ち資料についてはシュレッダーする。
昨日のお別れ会を終えて、A審査官がみなと会の会計報告、精算還付作業をしている。
10時50分を過ぎて、副審判官がB審査官に「そわそわしてんな?」と弄っていた。
11時ちょうどに総括が入りA審査官が呼ばれたが、副審判官が「行ったらアカン」とか小声で言っていた。
2分ほどで出て来て、国税局徴収部訟務官室連絡調整官(係長兼務で事件は担当しない)ということで、いわゆる出戻りということになったようだ。
ただ、「訟務官室の室長が気になる。」とは言っていた。
そのあと支所長が出てきて、笑いながら「以上!」と言ったのでB審査官と2部門のC審査官は留任である。
副審判官がA審査官に「着任延長はしないんか?審判所でゆっくりして行けや。」と言っていた。
11時過ぎに大阪本所の課長補佐から代表電話で支所長宛てに、追って11時半頃に支所長直通にかかってきて、終了後に総括が呼び込まれたので、おそらく午後からの指定官職の異動内容が伝えられたのだろう。
その後、支所長から「1部門は大橋さんと副審判官には異動予告があります。」と言われたので、やはり異動ということだ・・・えっ!総括は支所長ではなく総括留任?
その後支所長は2部門に行き、C審査官に何か言って本人がペコペコしていたので、指定張り出しということなのだろうか。
ちなみに2部門の副審判官には予告がなく、留任(副審判官4年目)ということのようだ。

2.異動予告日当日午後のバタバタ

お昼に熱いものを食べた以上に汗をかいている気がするが緊張しているのだろうか。
13時半頃に支所長直通電話に次席審判官から電話がかかってきて、一人ひとり異動内容を聞くことになり、2部門のC審査官、1部門の副審判官、自分、2部門の主任審判官、総括審判官の順番で受話器を回して聞いていった。
今の時点では2部門のC審査官は副審判官、1部門の副審判官は国税局調査部の特官、2部門の主任審判官は本所の主任審判官、自分も本所審判官(ヒラ)、そして、総括は所長から連絡があるということだった。
ということで、その後総括は所長からの電話で支所長となり、支所長は高松署長(高松局筆頭格署長)ということになった。
ちなみに、新しい総括は審理部の総括審判官である・・・そのメンバーなら、このまま異動なしでもよかったかも。
退職の弁護士出身審判官を除き指定官職で唯一呼び込まれなかった2部門の副審判官は怒っていて声を掛けられない感じである。

3.異動予告後のバタバタ

予告がひと段落すると方々から支所長、総括その他のメンバーに電話がかかってきて、これまた落ち着かない。
異動後の体制の電話もあれば、広島のD審判官は・・・署の署長になったとかどうだとかの個人的な電話もある。
総括は、新旧の一覧表など早速異動を見据えた事務をシコシコ始めているが、自分が依頼していたA事件の争点の確認表のチェックがおざなりになっている感じである。
行政文書の持出簿の様式がまた変わったようで、「前事務年度の様式をコピペして使われると困ったことになるらしいので注意してくださいと」A審査官がB審査官に引継ぎしていた。
新支所長が判明したということで、支所長室の芳名録プレートの注文をA審査官が早速していた。
支所長が高松税務署の引継のために8日にトンボ帰りして移動するらしいが、休暇を取っていくのか出勤扱いで旅費が出るのか・・・という話になったが、「今事務年度の旅費の締め切りが今日なのでどうなるのか?」とA審査官が言っている。
審査官には女性が来るらしいが、庶務担当にして(同じ女性で審査官から昇格した)C副審判官とソリが合うかとか話している。
大阪本所に持って行く私物の書籍などを入れる段ボールの手配と発送についての連絡が兵庫署から来たが、会社都合の異動なのに段ポール1個あたり800円も個人に負担させるのはおかしい気がする。
民間出身審判官の異動情報も非公式にメールでやり取りされている。
岡山の会計士出身審判官からのメールでは、「自分は高松審判所に帰るが、岡山支所の民間出身審判官の後任はCPA協会京滋会のEさんという人が来るらしくて知っていますか?」と書いてあったが、えらい年配だな。
しかも会計士登録番号33000番台ってにわかに信じられない。
副審判官が旧知の京都支所の主任審判官に電話していたが、京都支所の審査官は留任で、副審判官は2人とも彼よりも若くなり、しかも後輩の審査官が総務係長兼任となったことでへそを曲げているらしく、午後に急遽年次休暇を取って帰ったそうである。
自分の後任は、高松審判所で2年経験している弁護士らしく、もともと大阪市福島区の出身で、3年目だから地元にしてやるということになったのかもしれない。
副審判官が調査部の課長に電話していたが、特官はどの事案(会社)を担当するかによって配席が変わるらしく、関与するOB税理士と調査部職員との過去の関係がない調査先を担当することになるため、まだわからないようであり、ただいま担当事案を決めているそうだ。
副審判官がB審査官と1部門のレイアウトの話をしているが、その後総括がB審査官を審議室に呼んで2人で何やら相談している感じだった。

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