【0230】口頭意見陳述の留意点(その12)

1.発問権の行使に対する原処分庁からの回答

原処分庁が事前に質問に対する回答を書面により作成し、口頭意見陳述の場でこれを読み上げた場合において、申立人から回答書面の交付を求められたときは、担当審判官は、後日、原処分庁から回答書面を提出させ、当該書面を申立人に送付することができます。
原処分庁が回答に時間を要するなどの事情によりその場で回答することが困難である場合には、後日、書面により回答させることになりますが、この場合において、担当審判官は、原処分庁に対し、提出期限をおおむね2~3週間以内と定めて、回答書面を提出させることになるでしょう。
なお、原処分庁が、回答内容が守秘義務に抵触するとして回答しない場合が考えられますが、担当審判官は、原処分庁に対して、守秘義務に抵触しない範囲での回答をその場でするよう促すことになります。
ただし、原処分庁の回答が守秘義務に反するか否かについては、原則として、原処分庁が判断すべき問題であり、担当審判官は、原処分庁が回答しない場合において、当該回答を守秘義務に抵触するものではないなどと明示して、原処分庁に対し、回答を強要してはならないこととされています。
原処分庁が回答書面を担当審判官に提出した場合には、分担者(担当審判官の命により調査審理に従事する国税審査官)は、担当審判官の決裁を経た上で、申立人に送付することになります。

2.原処分庁に回答義務があるか

法令上、申立人の質問に対する原処分庁の回答義務に関する明示的な規定はありませんが、原処分庁は審理に協力すべき責務を有しており、また、全ての審理関係人を招集した上で申立人に原処分庁に対する発問権が付与された趣旨に鑑みれば、原処分庁が申立人の質問に対して誠実に回答すべきことは当然であり、その回答は、原則として、口頭意見陳述の場において行われるべきでしょう。

3.口頭意見陳述の中止

担当審判官は、申立人その他の陳述者が担当審判官等による陳述の制限に従わず、また、担当審判官等の許可を得ることなく原処分庁に質問を続けるなど、その言動に照らし、口頭意見陳述の続行が困難であると認められる場合には、口頭意見陳述を中止し、口頭意見陳述の終了を宣言することがあり得ます。
なお、その状況は「口頭意見陳述実施記録書」に詳細に記録するとともに、所属する審判部の部長審判官に報告するなどの情報共有が行われるものと考えられます。

4.口頭意見陳述と質問検査の峻別

口頭意見陳述の手続は、国税通則法第95条の2の規定に基づくものであって、第97条第1項に規定する担当審判官の職権調査権限に基づく証拠収集のための質問の手続とは異なりますので、担当審判官が、申立人に対し、事実関係を質問する必要があると認めるときは、口頭意見陳述の手続とは異なる質問手続を行う旨を申立人に伝えた上で、これを行うことになります。
また、発問権の行使に対する原処分庁の回答の内容に新たな主張又は証拠となると認められるものがある場合には、その回答で済ませるのではなく、別途、書面を提出させることになります。

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