【0231】口頭意見陳述の留意点(その13)

1.口頭意見陳述の内容の録取並びに質問及び回答の内容の記録

担当審判官は、口頭意見陳述を主宰し、参加審判官又は分担者(担当審判官の命により調査審理に従事する国税審査官)に指示して、口頭意見陳述の内容の録取並びに発問権の行使の有無、内容及び原処分庁の回答の有無、内容の記録をさせます。
この場合において、口頭意見陳述の内容については「陳述録取書」に、発問権の行使の有無及び質問並びにその回答については「口頭意見陳述実施記録書」に、それぞれその要旨を記録することになります。
また、口頭意見陳述に際し、請求人及びその代理人並びに参加人及びその代理人が陳述したときは、請求人及びその代理人の陳述は請求人の「陳述録取書」に、参加人及びその代理人の陳述は請求人のものとは別の参加人の「陳述録取書」に、それぞれの発言者を明らかにしてその要旨を記録します。
なお、申立人から事前に口頭意見陳述の内容を記載した書面の提出があり、これに沿った陳述が行われた場合には、これを上記の「陳述録取書」の別添として使用するという運用がされます。

2.陳述を制限し又は質問を不許可とした場合

申立人又は代理人による陳述を制限し又は質問を不許可とした場合は、申立人の発言要旨を「口頭意見陳述実施記録書」に記録した上で、陳述を制限し又は質問を不許可とした理由等とともに、発言を制限した旨を記録します
申立人及び代理人の各陳述は、同一の「陳述録取書」にその発言者を明らかにした上で記録するが、代理人によってされた意見陳述の効果は、申立人本人に帰属することになるのは言うまでもありません。
また、口頭意見陳述について録取した書面(主張書面)と担当審判官が審理関係人に対してする質問に対する答述(証拠書面)とは、明確に区分する必要がありますが、「口頭意見陳述実施記録書」は、主張、証拠のいずれにも該当しないと整理されています。
なお、申立人から事前に口頭意見陳述における陳述内容等を記載した書面の提出があった場合には、「陳述録取書」の作成の効率化(当日の時間短縮)のためにあらかじめ作成しておくといったことも考えられますが、実際の口頭意見陳述の場における発言内容との齟齬が生じないように留意する必要があります。
なお、要点録取ではなく全文録取とすべきとして争われた裁判例として、法改正前の異議審理庁に関する事件ではあるものの、岡山地裁平成7年2月22日判決が存在するところ、同判決は、全文録取とすべき法の規定はないから、全文録取ではなく要点のみを記載したことにつき違法とはならないと判断されています。

3.口頭意見陳述録取書への押印等の求め

担当審判官は、参加審判官又は分担者が作成した「陳述録取書」を陳述者に読み聞かせ、又は閲覧させて記載に誤りがないかどうかを確認した上で、陳述者の署名押印を求めることになります。
ただし、陳述者が署名押印を拒んだ場合には、その旨を記載しますが、陳述者の署名押印がないことをもって、本来主張として取り上げなければならない事項を無視することはできないとされています。
なお、口頭意見陳述に際し、請求人及びその代理人並びに参加人及びその代理人が陳述したときは、それぞれの「陳述録取書」に陳述者の署名押印を求めることになります。
ここで、「陳述録取書」の作成に時間を要する場合を含め、口頭意見陳述の当日に「陳述録取書」を作成しない(又はできない)場合には、担当審判官は、意見陳述を行った者に了解を求めた上で、後日、郵送等により確認を求めることとして差し支えありません。
ただし、この取扱いは、あくまで口頭意見陳述録取書に限る取扱いであり、これ以外の釈明陳述録取書等についても同様の取扱いがされるとは限りません。
なお、「口頭意見陳述実施記録書」は、出席者に記載内容の確認や署名押印を求める必要がない国税不服審判所の内部記録であるため、必ずしも当日に作成する必要はありません。

4.口頭意見陳述録取書の追加変更等

担当審判官は、陳述者に誤りがないかどうかを確かめた際において、陳述者から陳述の追加変更等の申立てがあった場合には、「前記の録取事項を陳述者に読み聞かせたところ、以下のとおり陳述の変更があった。」などのように、陳述の追加変更等であることを明記した上、その内容を「陳述録取書」に追加記録します
なお、記録そのものに誤りがあるときは、誤りを訂正した上で、上記の追加等を行うのは言うまでもありません。
申立人の原処分庁に対する質問は、申立人の疑問点を解消させ、もって、正当な権利利益の救済のための手段の充実を図るためのものであると解されるから、申立人の質問に対する原処分庁の回答は、基本的には、新たな主張又は証拠となるような性質のものではありません

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