【0053】国税不服審判所創設50周年

1.2020年5月1日は何の日でしょうか

2020年5月1日は、このブログを2019年5月1日(令和初日)に開設してちょうど1年・・・でもありますが、もっと大事なこととして、国税不服審判所が創設されて50周年を迎える日であります。

ちなみに、2010(平成22)年5月1日は40周年で、当時は40周年記念事業が予定されていたようですが、前年の年末に公表された平成22年度の税制改正大綱において「国税不服審判所は有効に機能していない」という趣旨のダメ出しをされてしまい、予定されていた行事が軒並み中止になったと聞きます。

予定通りパラリンピックが開催されていたならば終了の直後であった本年9月28日には記念のシンポジウムが開催される予定で、私も東京に馳せ参じようかと検討していますが、新型コロナウイルス感染症によって予定が変更になるかもしれません。

2.協議団制度

国税不服審判所は1970(昭和45)年に創設されましたが、その前身は、「シャウプ勧告」に基づいて1950(昭和25)年に創設された「協議団制度」でした。

しかし、協議団は国税局の指揮命令系統下にあり、課税執行側の部署の意見に抗うことが難しく、最終的な裁決権者は不利益処分をした国税局長であったことから、結局は「同じ穴のムジナ」にすぎないという批判が根強く、その有効性について疑問が呈されていました。

そこで、1970年度の国税通則法の改正に伴い、裁決権を審判所長に移管し、国税庁長官通達に拘束されないものとして国税不服審判所が創設されました。

3.第三者「的」機関であって第三者機関ではない

しかし、組織としては、「国税庁の付属機関」であり、後に「国税庁の特別の機関」といういささかグレードアップした格付けになるも、税務当局から完全に独立した第三者機関とはなりませんでした。

ちなみに、国税不服審判所のパンフレットでは、自己を「第三者『的』機関」と言っています。

なぜ、国税庁から独立させなかったのかについては、国税不服審判所創設の契機となった、1968(昭和43)年7月の「政府税制調査会『税制簡素化についての第三次答申』第2 答申の基礎となった考え方 1 審理・裁決機構について」に求めることができます。

「我が国の行政事件争訟の一般的考え方としては、行政庁は、いわばその自制作用として異議申立て、審査請求等に関する審理・裁決を行い、司法の前段階として、国民の権利の救済と行政の適正な運用を図ることを目的としている。
 税務争訟においても、適正な課税を行う義務と責任を有する税務当局が、審理・裁決を行うのが最も当を得ている。」

「これに対し、租税は、特に広範かつ密接に国民の権利に影響するものであるから、特別な配慮を払う必要があり、第三者的な裁決機構を設けるべきとする意見がある。
 この問題は司法制度全般のあり方との関連で考えざるを得ないが、憲法上の建前から特別裁判所を設けることは許されない。独立の準司法的機関を設置するとの考えもあるが、三審級に加え、行政段階にそのような機関を設けることは、重複の弊を免れず、また、このような機関の裁決を経たのち、直接、高等裁判所に出訴できるものとすることも、現行の行政、司法制度のあり方からみて実現困難であり、税務当局から完全に独立した第三者機関を設けることは適当ではないとの結論に達した。

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