【0228】口頭意見陳述の留意点(その10)

1.進行予定の説明

担当審判官は、口頭意見陳述の冒頭において、申立人からの申立てを受け口頭意見陳述を行うこと、及び口頭意見陳述を行う趣旨等について説明し、出席者の紹介を行うとともに当日の進行予定を説明することになります。
・口頭頭意見陳述の趣旨の説明
・出席者の紹介
・口頭意見陳述の手順及び注意事項の説明
・申立人による意見陳述及び審判所による意見の録取
・申立人に原処分庁に対する質問事項がある場合(発問権を行使する場合)、質問の許可及び申立人の原処分庁に対する発問
・申立人の質問に対する原処分庁の回答
・前記を踏まえた上で、申立人による追加の陳述等
・担当審判官による審理関係人に対する釈明の求め
・審理関係人の今後の予定等についての意見を踏まえた上で、審理関係人から意見の聴取
ここで、参加人が申立人である場合には、参加人の紹介を先にすることになります。
また、出席者の紹介に当たっては、主宰者側(審判所側)の出席者を紹介(又は自己紹介)し、次いで、請求人、参加人及び原処分庁に、順次、氏名及び役職等についての紹介(又は自己紹介)を行うことになります。
なお、口頭意見陳述を特定の申立人と行う場合において、既に出席者相互に面識があるときには、出席者の紹介(自己紹介)は省略しても差し支えないとされています。

2.注意事項の説明

担当審判官は、口頭意見陳述の冒頭において、次の注意事項についての説明を行うことになっています。
・口頭意見陳述は非公開で行うこと。
録音及び撮影並びに電話の発着信等は禁止すること。
なお、口頭意見陳述に際し、申立人から口頭意見陳述の状況を録音、録画したい旨の申出がある場合がありますが、その際には、審査請求に関する手続は公開を予定したものではなく、審理の妨げになるので、これを許可しない旨を伝えて理解を願うことになります。
・進行に当たっては担当審判官の指示に従うこと。
・発言は要点を押さえ簡潔に行うこと。
・口頭意見陳述においては、場合によっては陳述を制限し、また、質問を許可しない場合があること。
・出席者の権限や守秘義務などといった事情により、その場で主張の説明をすることができない事項については、
の旨を申し出ること。
・所要時間は〇時間を予定しているが、進行次第で所要時間が増減することもあり得ること。
なお、出席者が担当審判官の指示に従わない場合には、その者を退席させるほか、口頭意見陳述を終了させる場合があり得ます。

3.詳細な注意事項

その他、担当審判官は、必要に応じ、口頭意見陳述の冒頭、次の注意事項等についても説明することになりますが、原処分庁を招集することなく口頭意見陳述を実施する場合には、下線を付した事項については、説明を要しないとされています。
他の審理関係人の発言内容等を公にしないこと
・事件の審理とは直接関係がない苦情等を述べることはできないこと
申立人の発問及び原処分庁の回答は、それぞれ原処分庁及び申立人に直接行うこととするも、担当審判官による許可を得た質問でない場合には、あらかじめ、担当審判官の許可を得る必要があること
・担当審判官が審理関係人から説明を受けた内容を踏まえて、更にその場で説明を求める場合もあること
口頭意見陳述の場は、主張等に対する最終的な見解や判断結果を示す場ではないこと
・申立人から口頭意見陳述として陳述された事項については、申立人の主張に関する陳述であり、審判所として、正式に録取して「陳述録取書」を作成するも、申立人が原処分庁に対し、質問を発したり、また、原処分庁が申立人の発した質問事項に回答することについては、これらをそのまま正式な主張として扱うものではなく、新たな法律上又は事実上の主張とする場合には、後日、正式に担当審判官に対して、その主張を記載した書面(意見書、回答書等)の提出等が必要であること
なお、申立人から、録音・撮影をすることや他の審理関係人の発言内容等を公にすることを認めるよう、申立てがある場合も考えられます。
このような場合には、口頭意見陳述は非公開の手続であること、また、録音等により出席者の発言が公になる可能性がある場合には、出席者をい縮させるおそれがあることなどのほか、担当審判官の裁量でこれらを認めることは許されていないことについて説明し、申立人の理解を得ることに努めることになります。

4.発問権の行使と回答

審理関係人の主張を理解するために、担当審判官が同席主張説明などを実施するのと同様に、口頭意見陳述は、審査請求書等に記載した審査請求の趣旨等について、申立人が、担当審判官や原処分庁に対して口頭でその趣旨等を敷延して説明するというにとどまらず、原処分庁に対して事件に関する質問を発し、また、その回答を原処分庁から得ることを通じて、申立人が、原処分庁の主張を理解するための手続という一面を有しているということができます。
このように、口頭意見陳述の場において申立人が原処分庁に対して質問を発し、また、原処分庁が回答することは、これらが担当審判官や原処分庁にとっても、それぞれの主張を理解するために資するものであるとしても、申立人が原処分庁の主張を理解するために設けられた手続であることから、これら「質問」及び「回答」は、「主張」及び「証拠」のいずれにも該当しないと整理され、その「質問」や「回答」の内容をその後の主張立証で取り上げたい場合には、改めて主張書面で提起する必要があります。

5.陳述の制限

担当審判官は、申立人の口頭意見陳述における陳述が事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合には、これを制限することができます。
また、申立人によっては、「事件に関する意見」の意味を広く解し、原処分庁の調査の在り方や、審判所の調査審理の在り方等についても意見として陳述することができると解した上で、その点に関する苦情等についての陳述を申し立てることも考えられます。
しかし、陳述等が事件の争点の審理とは直接関係のない事項にわたる場合には、その陳述を認める意義に乏しいというだけではなく、そのような陳述等を許容することは、迅速かつ適正な審理を行うことを妨げることになるため、担当審判官は、その陳述を制限することができるとされています。

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